副作用のないがん病完治薬の開発
病的な幹細胞に直接アプローチする新しい治療法を開発しています。従来、機能不全に陥った病的幹細胞は骨髄のニッチに隠れてしまい、薬物が効果的に届かない問題がありました。しかし、ニッチを活性化することで、これらの病的幹細胞をアクセス可能な空間へと追い出すことが可能になりました。
この方法を用いることで、新しい薬物だけでなく、副作用のために以前は使用できなかった薬物も再利用できます。さらに、バイオジップコードでの細胞標的化により、治療薬を目的の細胞だけに確実に届けることが期待されています。このアプローチにより、がん治療の効果を高め、副作用を最小限に抑えることが可能です。
糖尿病幹細胞の発見及び研究については、こちらのページをご参照ください。
分子標的と細胞標的の違い
薬を必要な部分にだけ届ける技術
通常の抗がん剤にバイオジップコードによる細胞標的化技術を応用して、副作用を最小限に抑える研究を行っています。抗がん剤はがん細胞を攻撃する一方で、正常な細胞にもダメージを与えることがあり、その結果として副作用が発生します。この問題を解決するために、がん細胞だけを標的とする薬剤の開発に取り組んでいます。
具体的には、がん細胞の表面に特異的に発現する分子やがん化している細胞のみをターゲットとした薬剤を設計しています。この方法により、薬剤が正常細胞に影響を与えることなく、がん細胞に集中して作用することが可能になります。薬剤の効率的な送達システムを開発し、標的細胞への精度をさらに高めることを目指しています。
この研究により、患者さんのQOL(生活の質)の向上を図るとともに、治療の効果を最大限に引き出すことを目指しています。私たちの最終目標は、副作用の少ない安全で効果的な抗がん治療法を提供することです。